http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/10/21/kiji/K20151021011360450.html
名古屋地裁岡崎支部(近道暁郎裁判長)は21日、
罰金2万円(求刑罰金20万円)の判決を言い渡した。

求刑の10分の1という金額です。
昔、懲役刑についてですが「(判決で言い渡された刑である)宣告刑が
求刑の半分を下回ると、
検察官は量刑不当を理由として控訴しなければならない」という話を
聞いたことがあります。
しかし、罰金刑についてはどうなのでしょうか?
求刑の10分の1だと控訴せざるを得ないようにも思えますが、
この推測には根拠がないだけに、自信がありません。

それにしてもなぜ、このような軽い宣告刑になったのでしょうか?
近道裁判長をはじめとする3人の裁判官たちのうち少なくとも2人が、
以下のような検察側の論告と同様の考えを持っているのでしょうか?
検察側は論告で
「体調を崩し指示に従えなかった部員に暴力をふるっており、
懲戒として許される限度を超えていた」と指摘。

たしかに「教師が生徒の言動の非を指摘し同人の自覚を促すため
平手及び軽く握った拳で同人の頭を数回たたくという
軽度の有形力の行使は学校教育法第11条により教師に認められた
正当な懲戒権の行使として許容された限度内の行為である」
という判例があります(東京高等裁判所昭和56年4月1日判決・
刑事裁判月報13巻4=5号341頁。)

しかし、一昨年3月13日に発せられた文部科学省初等中等教育局長=
同スポーツ・青少年局長の通知「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく
指導の徹底について(通知)」には、次のように記されています。
「体罰は、学校教育法第11条において禁止されており、
校長及び教員(以下「教員等」という。)は、児童生徒への指導に当たり、
いかなる場合も体罰を行ってはならない。体罰は、
違法行為であるのみならず、児童生徒の心身に深刻な悪影響を与え、
教員等及び学校への信頼を失墜させる行為である。
 体罰により正常な倫理観を養うことはできず、
むしろ児童生徒に力による解決への志向を助長させ、
いじめや暴力行為などの連鎖を生む恐れがある。」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331907.htm

また、話が個人的になってしまいますが、
私も39年前から34年前までいじめられましたが、
私が在籍していた小学校と中学校では教員による体罰が横行していました。

したがって、先に引用した東京高裁の判例は、
もはや効果を失ったと考えた方がいいと思います。

でも、宣告刑が求刑の10分の1になったのは、
以下のような事情も考慮されたのかもしれません。
豊田大谷高は1997年と98年の全国高校野球選手権に
県代表として出場。川上被告は98年の主力選手で、
12年夏から監督を務め、起訴後に諭旨免職となった。

諭旨免職になった後で20万円の罰金を納めるのは非常に難しく、
労役場に留置されてしまうおそれがあります。

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