http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20150818ddlk37040600000c.html
特別背任とは、山口組系の組長が逮捕された容疑の罪名としては、
珍しいと思います。
特別背任罪は、会社法の第九百六十条に規定されています。
長い規定ですが、そのまま引用します。

(取締役等の特別背任罪)
第九百六十条  次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り
又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、
当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、
十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一  発起人
 二  設立時取締役又は設立時監査役
 三  取締役、会計参与、監査役又は執行役
 四  民事保全法第五十六条 に規定する仮処分命令により選任された取締役、
   監査役又は執行役の職務を代行する者
 五  第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項
 (第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を
   含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社に
   あっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、
   会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、
   監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、
   執行役又は代表執行役の職務を行うべき者
 六  支配人
 七  事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人
 八  検査役

2  次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に
   損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、
   当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。
 一  清算株式会社の清算人
 二  民事保全法第五十六条 に規定する仮処分命令により選任された
    清算株式会社の清算人の職務を代行する者
 三  第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は
    第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の
    規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を
    行うべき者
 四  清算人代理
 五  監督委員
 六  調査委員


つまり、特別背任罪が成立するのは、多くの場合は、
取締役や監査役が「自己若しくは第三者の利益を図り
又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、
当該株式会社に財産上の損害を加えたとき」なのです。

ただ、この毎日新聞のニュースで山口組系組長が逮捕されたのは、
次のような理由によります。
逮捕容疑は、昨年3月と同10月、
知人の川口貴也被告(55)と今井祐介被告(33)
=いずれも会社法違反罪で起訴=と共謀し、
川口被告が社長をしていた県内の畜産会社と、
今井被告が経営する人材派遣会社などの間に、架空の契約を締結。
昨年4月〜今年3月に雇用料や業務委託料の名目で計846万円を
畜産会社から今井被告の口座に振り込ませて、
畜産会社に損害を与えた、とされる。

つまり、逮捕された山口組系の組長は、
特別背任罪の共謀共同正犯(刑法第六十条・第六十五条第一項)だという
疑いをかけられているのです。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html


コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索