http://www.asahi.com/articles/ASH6K724PH6KULOB022.html?iref=comtop_6_06
言葉は悪いですが、まさに「バカッター」です。
神奈川県警は、住所不定のアルバイトの少女(16)を
売春防止法違反(売春目的誘引)の疑いで逮捕し、
18日発表した。

この売春防止法という法律は、
売春を禁止してはいるものの、
売春そのものには罰則を設けていないのです。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31HO118.html
このことの理由としては、
「売春に陥った者は、処罰よりは救済を必要とする者である、
との観点」に立っているとか、捜査方法いかんによっては、
証拠収集に微妙な問題」をはらむということが挙げられています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B2%E6%98%A5%E9%98%B2%E6%AD%A2%E6%B3%95
売春防止法によって処罰されるのは、
感想を書いたニュースに出てくるような売春目的誘引のほかに、
次のような行為です。
「1.売春の周旋等(6条)
2.困惑等により売春をさせる行為(7条)、それによる対償の収受等(8条)
3.売春をさせる目的による利益供与(9条)
4.人に売春をさせることを内容とする契約をする行為(10条)
5.売春を行う場所の提供等(11条)
6.いわゆる管理売春(12条)
7.売春場所を提供する業や管理売春業に要する資金等を提供する
行為等(13条)」

ソーシャルメディアで売春を誘った容疑で、
未成年の身柄を拘束するのは極めて異例。

確かに珍しいですね。
でもこれからは、こういうケースも増えていくかもしれません。

県警は少女が家出を繰り返していて任意の聴取が難しいことから
逮捕に踏み切ったと説明している。

ということは、もし売春の誘引で家裁が有罪認定できない場合でも、
この少女を少年法第三条第一項第三号ロとニの
「ぐ犯少年」に当たると認定し、少年院送致などの保護処分に付することは
できるかもしれません。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO168.html

ところで、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことにともない、
少年法の適用年齢も18歳未満に引き下げるべきだという主張が
強まっていますが、
上川法務大臣や谷垣自民党幹事長は消極的な態度を示しています。
このような消極的な態度の理由の一つとして、
少年法第三条第一項第三号の「ぐ犯」規定もあると思います。
なぜなら、もし少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げたら、
「ぐ犯」既定を18歳以上20歳未満の者に適用することもできなくなります。
しかし、そうなると、18歳の女性が感想を書いたニュースにあるような、
買春防止法違反の買春目的誘引の疑いで逮捕されたものの
証拠不十分で無罪となった場合に何もできなくなるのですが、
それではそのような女性を買春から
抜け出させることもできなくなるからです。

また少年法第三条第一項第三号ハは、
ぐ犯事由(ぐ犯少年として認められる要件)の1つとして
「犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、
又はいかがわしい場所に出入すること」を挙げていますが、
この「犯罪性のある人」には当然ながら暴力団員も含まれます。
そうなると、もし少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げると、
少年法第三条第一項第三号ハを用いて18歳以上の者を
暴力団から引き離すことも難しくなるでしょう。
このことに法務省が慎重な態度を示すのは当然だと思います。

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