http://www.asahi.com/articles/ASH486HS1H48UTIL03V.html
第一小法廷(山浦善樹裁判長)は「日常的な行為のなかで起きた、
予想できない事故については賠償責任はない」との初の判断を示した。

事故は2004年に愛媛県今治市の小学校脇の道路で起きた。
バイクに乗った80代の男性 がボールをよけようとして転倒し、足を骨折。
認知症の症状が出て、約1年半後に肺炎で死亡した。
遺族が07年、約5千万円の損害賠償を求めて提訴。
二審は、ボールを蹴った当時小学生だった男性の過失を認め、
「子どもを指導する義務があった」として両親に計約1100万円の賠償を命じた。
両親が上告していた。

たしかに、日常的な行為のなかで起きた事故です。
そして、このような結果は予想できません。
ですから、このような事故について賠償責任が認められ、
約1100万円もの賠償を命じられたら、
子どもを小学校の校庭でサッカーさせることもできなくなります。
ご遺族には酷な言い方になりますが、二審が厳しすぎたのでしょう。

民法は、子どもが事故を起こした場合、
親などが監督責任を怠っていれば代わりに賠償責任を負うと定めている。

次のような規定です。
「(責任能力)
第七百十二条  未成年者は、他人に損害を加えた場合において、
自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、
の行為について賠償の責任を負わない。
第七百十三条  精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を
欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。
ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
(責任無能力者の監督義務者等の責任)
第七百十四条  前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合に
おいて、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、
その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、
又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2  監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html
今日の最高裁判決は、第七百十四条第一項ただし書きを素直に理解したものといえます。

これまでの類似の訴訟では、被害者を救済する観点から、
ほぼ無条件に親の監督責任が認められてきた。
今回の最高裁の判断は、親の責任を限定するもので、
同様の争いに今後影響を与える。

ということは、今日最高裁は画期的な判決を言い渡したことになります。

コメント

さよなライオン二世
2015年4月10日13:08

通りすがりですが気になるニュースだったので日記を拝見しました。
私はこのての話に疎いので聞いてみたいのですが、そもそも骨折→認知症→肺炎(死亡)ということでしたが、事故との因果関係をどのように証明されたのでしょうか?遺族の方の憤りは分からなくもないのですが、私には言い掛かりのようにも見えるのですが…?
私にも小3になった息子がいまして、大変勉強になる判例と日記でした。

ミカエル
2015年4月12日2:47

なんで、今治市を、小学校を訴えないかな❗️
小学校の壁が、フェンスが,低過ぎたに、決まってるじゃないですか❓
小学生が、蹴ったくらいじゃあ、そんなに高く飛ぶわけないんだから…
なんで、周りの人達も、それを、教えてあげないんだ❗️
ひどい近所だよ…。

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